【おことわり】 ベトナム編に続いてミャンマー編ですが、ビザ取得の条件として、「ミャンマーで撮影したものをWEBサイトに掲示しない」という約束があったようですので、写真を掲載できないことをご容赦ください。また、カタカナの駅名は聞き取りのため、多少異なる場合もあります。

 【はじめに】  ミャンマー国鉄は面積で日本の1.8倍という広大な国土の中心都市を結ぶ路線を主としています。英国領時代に敷設された路線を中心としていますが、現在は更に地方都市に向け、路線の建設を実施している模様で、鉄道網の充実が図られる計画です。


 国家の施設は撮影禁止です。消防署や学校、ガソリンスタンドと共に鉄道も国有であるため、撮影は慎重に行うことがトラブルを未然に防ぐことになります。先に駅に立ち寄り、時刻を確認ついでに挨拶しておいた方が良いでしょう。やさしい人が多いですが、ヤンゴン環状線で2台のカメラをぶら下げたり、地方を含め三脚を立てたりすることは「プロである」という疑いをかけられる恐れがあります。実際に某駅で夕暮れに三脚を持ち出したところ、撮影を禁止されました。


 始発駅での出発時刻は守られ、停車時間の延長のため遅れが出るようですが、それほど極端には遅れていませんでした。


 屋根上には売り子などが無賃乗車している姿も見られます。


 機関車はインド、中国、日本、イギリス、フランス、ドイツと多彩な生産国。


 ヤンゴン川を挟んで南の地区など、外国人立入禁止区域は依然存在しますが、北部の方は2009年12月現在開放が進みつつあり、エアバガン社による観光ツアーもあります。ただし、どこまで可能かは要確認。


 ガソリンは1日8リットルまで購入可能で、それ以上は闇での購入になり価格が上がります。一時は闇の方が安かったそうですが。道を行くとちょこちょこ道路補修の費用を集めるための料金所が設置されていますが、多分タクシー代に含まれるものと思われます。だいたい1区間は数十円程度です。


ミャンマー国鉄における運転保安の研究


・単線区間の閉塞は基本的に無線通信式。無線機・電話機・テレックスを使用する。必要に応じて運転通告券を作成し、通過列車には籐製の安全枠(ランシンゴィン)に挟んで乗務員に渡す。

・単線区間は基本的に腕木式信号機。ほとんどが東南アジアタイプに交換済みの模様。進行現示が上向きのものは45度、下向きのものは30度。下向きは稀。夜間に灯火を用いるもの(未確認)も稀。

・信号腕木の白丸は夜間の視認性向上のため。チャイティーヨーで夜間は懐中電灯を使用するとの話も聞いたが、踏切の緑色旗の代わりではなかろうか。裏に黄色の蛍光板を貼り付けているところもあるらしい。

・出発信号機は大きな分岐駅のみ設けられている。

・場内信号機は必要があれば2つ設け、駅舎に近い第二場内信号機は進路指示の役割をする。進路指示の必要のない駅の場内信号は1つ。(第一)場内信号機からが駅の構内となる。

・第一場内と第二場内は連動しない。完全独立。

・日本で言うところの遠方信号機は、信号腕木だけが支柱に取り付けられ、明らかに信号機ではない。これは、「減速せよ」との標識とのこと。高さの低いものがあるが、通常は信号機と同じ高さか。

・プレイネ−ミンゲーの1区間のみタブレット閉塞式を確認した。閉塞器も日本と同じ。タブレットも合計24枚入れている。ただし電鈴は閉塞器に取り付けられ、閉塞電話はプッシュホンに。

・列車の通過方法 第二場内信号機の位置(あるいは任意の位置)で緑色旗を振り、安全枠を渡す。これが列車通過の合図。列車乗務員は駅舎前(あるいは運転取扱所前)で投げ捨てて通過する。

・駅にはポイントのキーが備え付けられ、その器具にはマスターキーがあり、全てのポイントキーを差し込んだ状態でマスターキーが抜けるようになっており、夜間はマスターキーを保管する。第二場内信号機のところのポイント横の線路間に鎖錠器があり、ここにポイントのキーを差し込むと、ポイントの転換が可能となり、また信号機のキーを引き抜くことが出来る。信号機のキーは本線・副本線共通で、信号柱の一方の鍵穴に差し込むことで信号リバーに接続され、リバーを反位にすることで進行現示に転換する。

・同じ方向に連続して運転する場合は、信号腕木はそのまま。

・英国時代の回転式リバーは、向かって右側の第一場内信号機を進行現示にしたい場合は時計回りに回転させ、戻らないようピンで止める。両方の場内を進行現示にすることは物理的に不可能で、同時進入を回避できる。これを使用している駅のみ下向き進行現示か。



【個別の路線・地域調査】
ヤンゴン地区

・環状線は複線で1周約3時間。平日朝夕は本数が多いが、日中は1時間おき程度で客車列車で運転。休日の日中は少ない。信号は現在はヤンゴン中央駅で集中的に扱っている。

・東に貨物駅。奥の方で入換、構内を横断する道路からの構内立入は禁止。付近に分岐して手積みで石灰石を積む場所もある。他にもいくらか引込線があるが、廃線(あるいは休止中。以下同様)。

・市街南に貨物線あり。中央部分は廃線になっている模様。環状線との接続のある付近2箇所は未調査。



バゴー〜チャイティーヨー(長距離列車は4往復)

・バゴー(BAGO) 大きな分岐駅で跨線橋や出発信号があり腕木式。周辺はビルなどに囲まれている。道路橋の南側に出発信号機が見える。(ヤンゴン市街からタクシー2時間)

・ペアジ(アチェ?)信号場 バゴーの市街の外れ。雰囲気よい。町に近いカリッ駅は交換出来ない。

・ウォウ(WAW) ホームは1本。国内唯一の跳ね上げ式鉄道橋が上り第一場内と第二場内の間にあり、水位の高いときは駅のポイント鍵の左奥の鍵を使ってこれを上げる。午前の上り第一場内を下り列車を入れて撮るのがインカーブでよい。第一場内は回転式リバーによる操作。(区間運転上り1600、上り1700)

・サトアゴー チャイティーヨーから別の道を辿る必要がある。タイなどからの攻撃がヤンゴンでは陸海軍ともに容易なので、首都がネピドーに移転したが、そちらに向かう短絡線が西向きに新設された。腕木式。西側では、両方の第一場内が少し離れて建っており、2本とも入れることが出来るかもしれない。午後の下り第一場内が光線よい。

・チャイティーヨー(KYAITIYO) ホームは副本線側のみ。(下り1200、1230、上り1330、1557)昼過ぎまでの上り第一場内がよい。第二場内付近の両踏切は手動で閉められ、機関車には緑色旗を振って合図。



マンダレイ〜ヤンゴン方向

・マンダレイ 電気式信号機の模様。

王宮の北側のチュイエゼ駅は区間列車のみの模様。車両はミューハウから南へ行くのと同じらしい。

・オーボー 未確認

・チュエージー 未確認

・ミューハウ(MYO HAUNG) 大きな分岐駅。第一種連動機で53本のリバーが並ぶ。機械式単灯信号機(電気機械式?信号はリバーで変えるが、信号機には機械的な装置がついていなかった)。

駅舎の南に2階建ての信号扱い所があり、駅長が閉塞扱いをしている。駅本屋にいるのは副駅長。南へ行く区間運転用の列車は専用ホームから出発。

 一部元DD51が入換。1254頃マンダレイ方面へ単機で行き、貨車一両を引いて駅南を横切る引込線へ。その後は引込線上で休んでいた。DD54タイプの機関車は日本の戦後補償で新車で入ってきたもの。入換は頻繁。

(1342上りヤンゴン行通過 1400下り通過 1411下り貨物到着)

・アマラプラ  腕木あり。下り第一場内よい。ホームは本線側。(下り1200過ぎ通過、マンダレイ1330発上りが1400頃通過)

・信号場(大きな客貨車区がある?橋を渡った北側から分岐すると聞いた) ミンゲーへ分岐。プレイネ方向より来て西側へ。列車はミューハウ1500発。ミューハウでは1200頃には乗車していて、そのまま入換していた。貨車にベンチを付けた客車。入換時に貨車や1両指定席車を連結していた。

・プレイネ バガン=マンダレイ線の分岐駅。バガン方面は1往復。分岐の手前に引込線があるようだ。次の停車駅はダウで場内は上下1本ずつ。信号はリバーなしの手動っぽい。空港から車で20分。

 ミンゲーへのタブレットは安全枠に紐でくくりつける。信号場で掲示してポイントを転換させ、タブレット鎖錠器付き転轍機ではない模様(でないと、連続して列車を出せない。続行運行可能と確認)。以前はナイロン製の袋を安全枠に取り付けていたが、多分取り出して掲示するのが面倒で紐に変わったのだろう。

・センカイ(singaing?)英国式で灯火を使用しているとの話し。

・チャンセー(KYAUKSE) 英国式で灯火を使用しているとの話し。



バカン地区

 新しい路線のため腕木はない模様。



インレー湖付近

 腕木あり。タブレット閉塞?